一生忘れない出来事の備忘録

最近Uターンをするも、Uターン詐欺に遭い、Sターンしそうな20代男性。現在無職。

20代の真ん中でUターン詐欺に遭った③

 

こんばんは。

今日も今日とてニートの20代男性です。

 

本日もこのブログ↓の続きです。

tsunatya.hatenablog.com

読んでいない方は①②を先に読んでみてください。

 

今回は気合入ってます。

私が目の当たりにした地元の実状をすべて書き記そうと思っておりますので。

 

それにしても人の不幸話ってなんでこんなに面白いんでしょうね。

当の本人ですら面白いですもん。

 

 

 

さ、少し時間が空いてしまいましたが

本題に入りましょう。

 

 

 

■目次

phase1.「もういいかな」の気持ちで転職を考える

phase2.天邪鬼就活を後悔 -実は地元に戻りたかった-

phase3.知人の紹介とかいう得体のしれないヤツ

phase4.地方経済/地方企業の実状

phase5.私の戦い

phase6.学びと今後

 

 

phase4

地方経済/地方企業の実状

 

移住と転職が完了し、

私のUターンライフが始まった。

 

私の地元のスペックを特定されない程度に話すと、

人口規模は10万も満たない小さなまちで年々人口は流出していく一方。

もちろん車社会で、

国道沿いを走れば「わあ、丸亀製麺路面店だ」みたいなことが多々ある

”THE地方”といったまちである。(で、大体その丸亀製麺もそのうちつぶれる)

 

高校までをそのまちで過ごしたあとは、

そのまま就職が2割、短大・専門への進学が3割、

残りが大学進学(県内にとどまるorほとんどは県外)といった具合である。

となるとまあ半分くらいの若者は関東圏に流出していくこととなる。

 

就職のタイミングで「地元がやっぱり好きとか」「実家の近くで過ごしたい」

という理由で戻る人も2~3割いるが、

もちろん就職のタイミングで関東圏に移る人もいるのでトントンといった具合。

 

何が言いたいかというと、

「Uターンで地元に戻って貢献したいと思う若者ってまだまだ少ない」

ということだ。

 

今でこそ「地方創生」「地域おこし」といった言葉が取り上げられるようになり、

中高生などの若い世代でも耳に触れられるような時代になったが、

それでもやはり一度「でて」、そこからまた「戻る」という物理的な移動と

マッチした職に就くハードルを鑑みるとまだまだ障壁は大きく、

しっかり意図した形でUターンをできている人というのはごく僅かである。

※地方の職の在り方については別でもう少し掘り下げたいと思ってます

 

そんな中でも受け皿を与えてくれたA氏(②参照)には本当に感謝していた。

 

だが問題はここからである。

ここからが本題。

 

スタートアップという話も聞いていた、

スターティングメンバーというのはやりがいの分、代償がつきものだ。

そんな覚悟はしていた。

 

そんなことより、

まちづくりの話ができる環境や

ストレスのない新しい職(東京時代は常に会社携帯が鳴る恐怖と戦っていた)

都会の喧騒とは縁遠い過ごしやすい環境(田んぼの中チャリ通勤)、

そこに満足していた。

これからここで何をしていこう、そんなことに日々想いを馳せていた。

 

職務内容としては、

「飲食業界の仕事半分、まちづくりの仕事半分」という話だったが

飲食店のほうの新店オープンがしたばかりであるため、

まずはそちらに専念する必要があった。

私は大学のアルバイトぶりに料理の説明を頭に叩き込んだ。

 

「GWまでは駆け抜けてほしい」

入社後すぐにそういわれた。

 

お店のオペレーションも0からのこのお店ではやることも課題も山積み。

コロナ禍で安定したお客様を確保するためには通常量以上の勤務は必要だと思った。

 

私以外にもう2人Uターン採用された社員がおり、

その少ない人員で業務に慣れながらお店を回すため

休みは週1のお店の定休日のみで、4月の労働時間は200時間にもなっていた。

 

それでも私は営業時間終わりにA氏にアウトプットの時間をもらったり

地元の現状や今までの取り組みについて意見を交わしあったりしていた。

それが私のやりたかったことだったから。

 

そんなこんなで無事GWまで駆け抜けた。

 

5月下旬、最初のお給料が振り込まれた。(4月分の振り込み)

そしてやっと雇用契約書が手渡された。

 

それはあまりにも簡素な内容で説明もサラッとしたものだった。

そして締めに、

「お給料の部分は、個人差があるからあとで正規のものを渡します」

と告げられて、まかない後の一瞬のミーティングが終わった。

 

その場で、その限られた情報だけで理解するにはあまりに難しかった。

「正規の契約書が来たらちゃんと読み込もう」

そう思ってカバンにしまった。

 

そしてまた次の日がやってくる、

接客をする、

皿を洗う、

仕込みをする、

レジを締める、

疲れて帰る、

寝て起きる、

次の日が来る、

接客をする、

疲れて帰る

 

次の給与が支払われる。

 

どうやらおかしい。

 

日々の忙しさにかこつけて

雇用契約書は来ないまま、

イベント営業で就業が0時を過ぎることがあっても次の日もフルタイム営業、

そもそも従業員の勤務時間の管理がされていない(タイムカード的なものはなし)

GWを過ぎたが休みは週1のまま、

残業代は200時間働いても0円、

まちづくりの仕事は半分って話だったよな…

 

気が付いたら

「スタートアップだから」という言葉では片づけられないような

問題が目の前に山積していた。

 

初月は保険料などが引かれない分、見てくれは高く思えた給与も

蓋を開けてみたら約束していた金額には満たない額だった。

 

もちろん他の社員からも不安や不満の声はあがり、

私含め会社に対して懐疑的になってきていた。

 

 

これが自分のやりたかったことだろうか?

このためにUターンしたのだろうか?

 

 

私はA氏に交渉することにした。

このままでは誰にとってもよくないことは明確だったから。

なによりも自分自身がこの環境で働き続けることが不可能だと思ったから。

 

諦めたいわけではなく、

続けるために変える必要があった。

ここで変わらなければ、私は私の地元に絶望することになってしまうから。

だから変える必要があったし、そのための話し合いが必要だった。

 

数えきれない話し合いの詳細は割愛するが、

私の主張は「法律の範囲内で働かせてほしい」、その1点だった。

 

ごく一般的で、当たり前すぎて、

なぜこんなことをお願いしているのか訳が分からないが、

シンプルな話で、私はただ、法律の範囲内で働きたかった。

(自分で打っておきながら笑ってしまう文章だな)

 

ここからの戦いの様子はphase5で細かく話をしていきたい。

 

 

 

ここまでの話だと、

私の働いていた企業だけがこんな感じなだけなのでは?

筆者の運が悪かったんだろう、という意見が想定されるが、

地方企業においてこの問題は慢性的に起こっている。

 

木下さんの著書↓の中でも出てくるが

www.amazon.co.jp

地方のほうが経営者の考えが古臭いのは実状としてあり、

「即戦力が欲しいけど高い給料は払いたくない」

「革新的な考えの人材は欲しいが会社の方針には従ってほしい」

といったわがままなニーズを当たり前のように持っていて

その結果、U・Iターンを志す人との間で仕事の内容や給与のミスマッチが頻発し

地方には優秀な人材が根付かない、といった現状に陥っている。

 

私のいた職場は複数のテナントが集まる複合施設であったため

そこにいる様々な経営者を見たが(お店に食べに来たり定例会の様子をA氏から聞いたりと交流があった)

全員がお山の大将であることは早々に勘付いていた。A氏を含め。

 

この小さなまちでは

声の大きい人や派手な行動をする人が目立てる環境にあり、

(私はUターンということだけで運よく入社2日目でテレビに出た。)

専門知識がなくても「できている」という認識ですぐ取り上げられる。

 

競合が少なく、鋭い監視の目がない状況では、

まちを作り上げるブロック1つ1つの精度が低い。

だが、まちの人間はスバラシイ!とそこにお金を落とす。

選択肢がそもそも少ないから。

 

そうやってできたまちは持続可能だろうか?

ハッタリでつくられたまちに発展性は見込めるだろうか?

カロリーメイトジェンガができるだろうか?

それはまあできそうか。

 

とにかく、

地方の現状というのは今伝えたような状況であることが多い。

※もちろんすべてではないが

 

地元が抱える問題というのはとても根深く、

自分が想像していた”ポテンシャルのあるまち”とのギャップをこれでもかと痛感した。

 

結果としてこの職場を離れることを選択したが、

今でもその選択は間違ってないと思っている。

ただ、こういった現状が生まれてしまうこと自体は

まちが生んだ大きな間違いだと私は思う。

 

もし私よりももっと若いU・Iターンを志す人がこのブログをみたら、

とても面白くない話だな、と感じると思う。

未来の芽を摘み取るようなことするな、と。

私は私のやり方でやるワイ、と。

 

その通りだと思う。この話は面白くはない。

 

ただ、盲目的になってほしくないし

残念ながらこの現実はすぐそこに存在しているものだから

上ばっか見て歩いていて足を引きずり降ろされることのほうが

よっぽど不幸だと思うのでここに記しています。

 

知っておいて損はないと思うから、ここに置いておきます。

チンして食べてね。

 

 

今日は文章がめちゃくちゃな割に

やたらまじめで長くなってしまったのでこの辺で。

 

また次回。