一生忘れない出来事の備忘録

最近Uターンをするも、Uターン詐欺に遭い、Sターンしそうな20代男性。現在無職。

20代の真ん中でUターン詐欺に遭った④

 

こんにちは。

前回からだいぶ間がいているにもかかわらずまだニートの20代男性です。

 

本日もこのブログ↓の続き。

今回で最後かな。

tsunatya.hatenablog.com

 

転職活動が佳境に入り、

自分のスケジュール的なところと

精神的なところでニートなりにもがいていたら

間が空いてしまいました。

 

今回で④となりますが、

必要な人にとっては一番実用的?な回に

なるのではないかと。

ハロワとのやりとりとか、

A氏とのやりとりとか、

どうやって辞めたのか、とか

赤裸々に話していこうと思います。

 

それでは本題へ。

 

 

■目次

phase1.「もういいかな」の気持ちで転職を考える

phase2.天邪鬼就活を後悔 -実は地元に戻りたかった-

phase3.知人の紹介とかいう得体のしれないヤツ

phase4.地方経済/地方企業の実状

phase5.私の戦い

phase6.学びと今後

 

 

phase5

私の戦い

約束の額に満たない給料、

200時間を超える勤務でも支払われない残業代、

従業員の勤務時間を管理しないオーナーA氏、

催促しても一向に渡されない雇用契約

 

そのほかにも

初月以降希望休を2日もらえることになったが

オーナーの都合で勝手にお店が休みになり

希望休がつぶされる、など。

 

身勝手で管理能力の低いA氏の経営体制に対

する不信感と将来への不安と憤りで

私の精神は徐々に擦り切れていった。

 

何よりも私が嫌だったのは、

副業なのか経営者の会に参加するとかなんとか

忙しいことにかこつけて我々に向き合う時間を

設けなかったことだ。

 

私は従業員の不満が出始めてすぐ、

「この状況はまずい」と思い話し合いの機会を

設けることをお願いした。

 

ただ、A氏は自分の学んだこと(持論ではなく他者からの話)や自慢話や他の経営者に対する愚痴は一方的に話してくれるが、

このお店をどうしたいのか

会社の方向性は何なのか

目標は何なのか

そのために我々に求めていることは何なのか

そういうことを話してもらう時間や

みんなで日々感じていることを共有する時間

業務改善のためのミーティングをお願いしても全く向き合ってくれなかった。

(それまで普通の会社に属していたため目標に対する意識が高かったとは思う)

 

30分でもいい、15分でもいい、

包丁を置いて、皿洗いの手を止めて、

膝と膝を突き合わせて話し合う時間が欲しい、と言った。

毎日顔を合わせているが、

レストランを営業する時間と

個々の気持ちを汲み取る時間は

別で儲けるべきである

なぜなら営業時間は

自分の人生や将来設計については考える時間

ではないから。

 

が、

結局入社してから一度も1対1での話し合いは

行われなかった。

 

従業員の中には新卒の子もいた。

初めて入った会社がこれでは、

今後に支障をきたす。

一番不安を感じているはずで

一番手をかけなければいけない人材から

知らないのをいいことに、

うまいように労働力だけ搾取しようなんて

バカげている。

ふざけないでほしい。

 

もう一人の従業員は退職届を出していた。

賢明すぎる。

 

 

・・・

 

 

ある日、私は終業後のA氏をとっ捕まえて

あまり言葉を選ばずにすべてを話した。

限界だった。

 

目標を示してくれ、

私たちの努力の方向性は正しいのか、

どの方向性に進めばいいのか、

地図もなくゴールもなく走り続けられない

何のために休みもなく働いているのか、

今後改善されるのか、

従業員は不満も不安も感じている、

このままずっと不協和音がし続ける会社は嫌だ

 

涙声だったと思う

こんなバカみたいな内容を

私が声をあげて話さないと伝わらない

人間だったなんて

悲しかった

こんな人間の言葉を信じてUターンしたなんて

自分もバカだと心底思った

 

ただ話し合わないと何も変わらない

私は私の地元に絶望したくない、

その一心でありのままを話した

 

最初は仕込みの片手間に聞いていたA氏だが、

私のただならぬ雰囲気に何かを感じたのか、

手を止め言った。

 

「いやあ、僕がゴールを示さないといけないんじゃ君たちの成長じゃないでしょ?

その答えを示さないと動かないなんて。

答えを言うことがマイナスのスタートになるけど大丈夫?

僕は待っていたんだよ、君たちが動き出すのを。

僕が若いころはね?0時超えて仕事をして、朝5時にまた厨房に立って

それでも自分には料理人の夢があったから必死に働いて・・・(以下、自慢)

なのに今の君たちの働き方はバイトと変わらない

第一、今のお給料はほかの飲食店の人と比べたら結構もらってるんだよ?

もっと時間の感覚なく働いてもらわないと。笑・・・」

 


ああ、話にならない

この人は今考えたみたいな浅はかな考えを

安易に人に話せてしまう人で、

自分の今喋っていることの矛盾にも気づかず、

マイナスの経験を自分の会社の従業員にも

させてそれが正解と思っているんだ

 

もっと言ってやりたい、言い返してやりたい、

矛盾を刺してやりたい、

でももう戦闘する必要がない、

おかしい思想の人だったんだ、

ああなんだ、そういうことか、そういうことか、、

 

強烈な絶望感で頭が真っ白になった。

このまま帰ろうかとも思ったが一言だけ言った。

 

「全体の話し合いを設けてください。

その場で今私に言った考えを伝えてください」

 

 

そして次の日、

唐突に全員を集めたA氏はこう言った。

 

「みんなが考えていることはよくわかりました。

みんながすり減っていることもわかりました。

法律の範囲内で働きたいと思っているということなのであれば、

契約書はこれになります。」

 

そういって手渡された契約書は

・9-18時定時

週休2日

・残業代は超えた分支払う

・ただし、基本的に残業はなし(オーナーの気分で就業時間を指定)

・基本給が約束より約3万減

※破り捨てたので手元にないが、ほぼこれに近い内容だったはず。

 

上記の内容だった。

 

笑えた。

私たちの労働の対価はアルバイトと変わらない金額。

そしてそもそも法律の範囲内で働かせる気が

なかったということを

口に出してきたのでさらに笑えた。

 

私はその瞬間、

一緒に頑張っていこうと思っていた相手を

今後戦う敵として認識した。

向こうが敵意を示してきたのだ。

コテンパンにやる。

やることにした。

 

 

ここからは労働基準監督署とのやりとりになる。

ごめんなさい、実用的なのはここからです。

 

前提として、労基に行くときは

「助けてドラえもん~」の姿勢で行くことはお勧めしない。

「戦うためのアドバイザー」くらいの認識のほうがいい。

実際のび太ドラえもんのことアドバイザーだと思ってたらすごい嫌だけど

 

あんまり知った口をきくと

「こいつ戦闘能力あるのでは?自分でやってごらん」となるので

いい塩梅でやるべきなのだが、

労基の人は、

人の悲しい話を聞いて「なんだって!?許せない!戦いに行くぞ!」という人たちではない。

私は3回ほど足を運んで相談したがむちゃくちゃ忙しい人たちである。

 

労基は

・現状に対して、おかしい点の洗い出し

・基本的には個人としての交渉方法をアドバイス

・本人が望めば名前も一緒に出して情報提供し企業側への調査(是正勧告)

をしてくれる人たちなのでタスケテーじゃなくて自分がなにをしたいのかを明確にするとよいです。

(辞めたいのか、辞めたくないのか、企業側に何を求めているのか、など)

 

このへんはこのサイトの内容が参考になりそう

www.vbest.jp

 

大体どこのサイトも最後には弁護士への相談を勧められるけど、自分は弁護士なしで残業代も全部取り返したので

状況によるけどそういうやり方もあるよーって参考になれば。

 

 

以下労基とのやりとりとA氏との交渉の内容を雑にまとめました。

 

■初めての労基

意味の分からない雇用契約書を渡された直後

”不当な理由で労働条件を変更されているから、この雇用契約書を飲まないためにはどうしたらいいか?”

という内容を相談し、

契約書に関する矛盾点と本来示すべき内容を

法律に基づいて洗い出してもらう

 

■A氏への交渉

A氏にそもそもの初期の契約書の矛盾点を示しつつ交渉したが、

訳の分からない理由で突っぱねられる。

「大体ね、最初の契約書は残業時間も込みの内容で・・・(以下略)」

 

永遠にけんか腰のA氏に腹が立ち、

ブチぎれて声を荒げて他の従業員の前で涙ながらに訴えるも

その後の「そんな感じでこれからやってけそ?(半笑い)」という発言で辞職の意思が固まる

 

■2回目の労基

辞める意思が確固たるものに変わったので

残業代をもらうための交渉材料を労基に相談

 

【一生使わない豆知識】

残業代の計算方法 ※残業代の算出方法がなにも定まっていない場合に限る

①1日の労働時間のうち、8時間を超える時間を算出

8時間を超えた時間を引いた上で、

 月単位で144時間(従業員10人以下の企業の法定労働時間)を超える時間を算出

→①②の合計時間を時給換算した額が残業代

みんなも計算してみて☆

 

ここで触れておきたいのが、

このタイミングで私が労基にお願いしていたのは「是正勧告」から

未払いの残業代に対する「申告」に変わっている点です。

前者は働き続ける前提で、自分の名前を出して情報提供をして

法律違反をしている内容を労基に入ってもらって勧告をしてもらう内容ですが

後者は辞める前提で、個人に対する未払い分の請求を求めています。

ただし申告にあたっては、いきなり労基が申告を請求することはできないので、

本人が企業側(自分の場合A氏)に対して未払い分の請求を交渉する必要があります。

ただし、ここで喧嘩をする必要はないので

「求める」ことと「突き返される(もしくは無視など)」の事実があればOKです。

 

要求したけどそれに応じてくれなかった場合、労基が入ります。

 

■退職願

辞める意思と申告内容を伝える。

 

わし「契約書では1か月以内となってますが法律では2週間になっているので2週間で辞めさせてください」

A「そうなると思っていた。なるべくはやく辞めれるようにするワイ」

わし「あと、労働に対する対価は支払っていただきたいので今まで未払いの残業代は請求しますね」

A「お?まあとりあえず明細見せろや」

わし「おけ」

 

■請求内容の提示

労基で教えてもらったやり方で

自分の勤務時間と残業代を算出しA氏に送り付ける


※A氏は浅はかな人間なので突込んでこなかったが、私はどこからも刺されないように勤務時間の根拠(LINEでのやりとりや他の従業員に確認した旨)を備考欄にも書いた

 

■(意図せず)最後の出勤

明細出した日の出勤日、

朝の準備をするわし、呼び出される

 

A「残業代の件だけど、早上がりの日もあったから、その分を差し引いて

(本来の時間ー20時間)で計算したものを支払うね」

わし「言っている意味が分からないので、第三者機関を入れて相談させてもらいます。」

A「・・・。そういう話は営業時間中にするもんじゃないから。」

わし「??あなたからこういう話をしてきたんですよね?笑」

A「とにかくこういう話をしている人と働けないので、今日はもう帰ってください。」

 

連休初日だというのに私に帰宅命令を出したA氏。

自分の感情でしか動けていないその様に

怒りよりも面白さが勝ったので他の従業員には丁重に謝りつつ帰宅。

 

そしてこれが最後の出勤となった。

 

■3回目の労基

打算的な兄がちょうど帰省をしていたタイミングで

事件が起こったため、兄に迎えに来てもらいその足で労基へ。

(ちなみに兄には「だから言ったのに」とは言われつつも無茶苦茶相談していた。)

 

今の事情を話し、計算内容を出力してもっていき(資料のやり取りは基本アナログ)

確認してもらい、今後の作戦会議を労基の人と行った。

 

もし、こうやって言ってきたらこう言えばいいです、

ここを指摘されたらこう言い返してください、

今後の相手の動き方を見て、私たちが動くタイミングを考えましょう、と

すごく親身になってアドバイスをくれた。

今思えば、くそニート爆誕を憐れんでいてくれたのかもしれない。

 

※ちなみに私の場合はだけど、労基の人のやり方とか態度は人によって

全然異なるから、自分がこの人とやりにくいな、とかもう少し違う人に話を

聞いてもらいたいな、と思ったら申し出たほうがいい。

1回違う人に話し聞いてもらったけど私の意見を完全否定する人で

働き続けることを斡旋してきたからすぐ今までの人に変えてもらった。

自分を担当してくれた人は頭の切れるいい人でした。ありがとう。謝謝。

 

■解雇通達

その後、LINEで今後会社に来なくていい旨をA氏から伝えられた。

そして第三者機関という言葉に怖気づいたのか、

ことが大きくなる前に私の口を金で封じたかったのかわからないが

示した金額を満額支払うことを伝えられた。

 

どこまでもA氏は器の小さい男だった。

 

無事提示された金額が口座に振り込まれ、

結局労基が会社に入ることはなく私の戦いは終わった。

 

 

ちなみに、

退職願を紙で出していたわけではなく口頭でのやり取りでしかなかったことと

退職日の通達もなく会社に来るな、と言われたため

離職票の理由の欄は会社都合になった。(というか、交渉してそうさせた)

 

 

phase6

学びと今後

あとがき的にもう少し。

もう有益な情報はここから先はないです。(今まであったのかも不安)

 

 

この戦いに、勝ちも負けもない。

 

残業代を支払ってもらえたとしても

Uターンをした時点で負けだったのかもしれない。

 

もうすこしうまいことやって自分を麻痺させて働いたら

勝ちの世界になったのかもわからない。

 

人生にとってプラマイで言ったらマイナスの方かもしれない。

それもわからない。

 

それでも私はこの答えとこの戦いはやってよかったと思う。

夢見ていたUターンができる環境ではないということと

地元の現状に絶望できたのが早くてよかった。

立ち直れないほどの絶望をありがとう。

 

理不尽なことに対して

こんなにも行動的で感情的になれる自分がいたことに自分でも驚いている。

中学のスポコン時代に出てきてほしかったなあ。

 

 

おそらく私はまた関東圏に戻る。

それが正解かもわからない。

 

戦いの直後はアドレナリンが出まくっていたから

転職活動も目ギンギンで自分の将来に思いはせながらできていたが、

ここに残る選択肢も捨てたわけではない。

関東に戻るのは逃げる形に見えるかもしれない。

し、実際逃げなのかもしれない。

 

関東圏に戻ったらおそらくあのスピードでまた働いて

稼いで生活費を垂れ流して遊んで稼いでいろんなところへ行って仲間とワイワイして

ある日また、地元に戻りたい感情が出てきたらどうしよう、と思う。

その辺の整理に時間がかかったのがブログが遅れた理由でもある。

 

ブログを始めた当初考えていた締めの内容とはだいぶ異なっている。

備忘録として書き始めて、

同じ状況の人の助けになったり

ちょっとブレーキかける一助になればなあと思っていたけど

当の本人の気持ちはモヤモヤしている。

 

まああれか、

こんな今の自分も反面教師にしてもらえばいいかです。

こういうことになるから、

気をつけろよ、みんな。

 

私は私でこの経験を自分なりに咀嚼しながら

辛くてしんどい時間を忘れないことで自分を奮い立たせて生きていこうと思います。

 

最終的に自分で自分を励ましてしまって非常に恥ずかしい。

 

 

これ以上書くといらんこと書きそうなので

この辺で。

 

長ったらしくて要領を得ない文章を

読んでいただきありがとうございました。

 

また。